秋・冬の子どもの皮膚
子どもの皮膚は薄く、バリア機能が未熟であり、皮脂の分泌も少ないため、肌トラブルを起こしやすいです。
さらに秋や冬は、外気温や湿度が下がったり、暖房器具によって空気が乾燥したりすることで、肌の乾燥をより感じやすくなるでしょう。子どもは肌が乾燥するとかゆみが生じ、無意識に掻きむしってしまいます。掻いて皮膚が傷つくことでバリア機能が低下し、肌トラブルの原因となります。
- 毛細血管の収縮により血行が悪くなる
- 皮脂の分泌が減り、皮脂膜が不足する
- 乾燥で肌の水分が少なくなり肌がかさつく
うるおいのある肌を保つためには日頃のスキンケアが大切です。
一生にうちで一番乾燥する時期はいつでしょうか?
…正解は赤ちゃん時代。特に生後2か月は急激に皮膚の乾燥が進みます。
みずみずしくみえていても乾燥しやすく、外的刺激にとっても弱いのでしっかり保湿をしましょう。
日常のスキンケア
日常で行うべき子どものスキンケアについてご紹介します。
清潔を保つ
スキンケアの基本は汚れを落として清潔を保つこと。体調が悪くなければ毎日入浴し、清潔を保ちましょう。かゆみがあるときはお湯の温度を低めに設定します。洗うときはゴシゴシこすらないようにしましょう。
保湿
保湿をすることで、肌の水分を保ちバリア機能を向上させることができます。朝とお風呂あがり、乾燥する季節はさらに日中1~2回、全身に保湿剤を塗りましょう。保湿剤は、こすらず手のひらをつかって滑らせるように塗ります。
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水気は優しく拭き取る
お風呂後の水分やよだれ、食べこぼしなどを放置しておくと肌荒れの原因となります。水や汚れがついたらこまめに拭き取るようにします。ゴシゴシせず、やわらかいタオル等で優しく押すように拭きます。
こまめに着替える
清潔にして保湿剤を塗っても、汗で湿った服を着ていては意味がありません。汗をかいたらすぐに着替えさせましょう。特に首や背中は汗をかきやすいため注意が必要です。直接肌に触れる肌着は、通気性や吸湿性のいい綿100%のものを選びましょう。
悪化時のケア
日常のスキンケアをしているのに肌がよくならない、発疹がでている、かゆみがひどい、熱など他の症状がでてきたときは、病院受診をしましょう。
特に発疹や熱などの症状がでた場合、水ぼうそう、風疹、はしか、手足口病、りんご病、溶連菌感染症などさまざまな原因が考えられ、その原因によって治療法が異なります。
なかには重症化するものもあるため、自己判断せずに早めに受診しましょう。
渋谷紀子(2019)『はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア』主婦の友社