赤ちゃんが離乳食で遊ぶのはなぜ?
手間のかかる離乳食づくり。
せっかく作ったのに、つかんで投げたり口から出して遊んだりして、離乳食は進まないし部屋は汚れるしでもう大変!と悩むパパママは多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが離乳食で遊ぶのには理由があります。それは、離乳食を「食べ物」ではなく「何か面白そうなもの」という認識があるからです。
――触ったら感触はどうなのかな?
――投げてみたらどうなるんだろう?
離乳食は大人にとっては単なる「食事」でも。赤ちゃんにとっては「興味」なのです。
その「興味」に対して、手でつかむ、口から出すというのは好奇心から生まれる自立心を促すとても大切な行為です。
と赤ちゃんの行為そのものに目を向けるだけではなく
と赤ちゃんのアタマの中まで想像してみると、いつもの離乳食が少し違ったものにみえるかもしれません。
ただし、遊び食べをするのは「お腹が空いていない」「体調が悪い」といった身体的な理由が関わっていることもあります。食事の時間はなるべく毎日同じ時間にし、生活リズムを作ると共に体調の変化に気づけるようにしましょう。
遊び食べの対策
赤ちゃんが悪気があって食べ散らかしているわけではない、とわかっていてもベタベタの片づけは大変…。事前に対策をすることで食後の後片付けがラクになりますよ。
離乳食の飛び散りをガードする
テーブルやイス周り、床を新聞紙やごみ袋、レジャーシートでガードすることで、周囲のベタベタを防ぐことができます。新聞紙やごみ袋など使い捨てできるものであれば、食後の片付けも簡単です。レジャーシートを使う場合は、シンクやお風呂場で汚れを流して乾かしておきましょう。
掃除しやすい食事グッズを用意する
テーブルやイスは汚れを拭き取りやすいもの、丸洗いできるものを準備しましょう。布素材は拭き取りにくかったり、洗濯乾燥の手間がかかるため、プラスチックやスチール素材のものがおすすめです。
食事に集中できる環境をつくる
食事以外に興味になるようなものがあると、赤ちゃんは気が散ってしまいます。食事中はテレビやDVD、YouTubeなどを消し、おもちゃも視界に入らないように環境を整えましょう。手づかみ食べをする時期になったら、やや前傾姿勢にし、慣れてきたら肘がテーブルにつくような高さに調整します。
赤ちゃんの思考を知る&事前の対策で楽しい離乳食を
赤ちゃんにとって離乳食は「興味」です。食べさせることだけを目的とするのではなく、赤ちゃんのワクワクを観察しながら介助してあげると新たな発見があるかもしれません。
とはいっても、毎日離乳食後のベタベタと葛藤するのも大変。後片付けの負担を減らす工夫を取り入れながら楽しい離乳食の時間を作っていきましょう。
・辻祐一郎(2017)『いちばんハッピーな育児BOOK』成美堂出版